顎の骨に埋め入れる人工歯根により、高い安定性を持つインプラント。
高い安定性を持つインプラントですが、インプラントはどなたにでも受けられる治療法ではありません。
糖尿病を含め、以下のような基礎疾患をお持ちの方は、健康状態・歯周組織の状態によってはインプラント治療を受けられない場合があります。
[インプラント治療において注意したい基礎疾患の例]
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糖尿病
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心臓疾患
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腎臓疾患
今回は、上記の基礎疾患をお持ちの方に対し、インプラント治療を行う際の注意点をご説明します。
目次
■糖尿病
◎食生活の改善・運動を中心とした血糖コントロールにより、血糖値を安定させておくことが前提条件になります
糖尿病の方に対しては、1型糖尿病をお持ちの方にはインプラント治療は行うことができない場合があります(インスリンの自己分泌能力が低下・枯渇し、血糖値が安定しないため)。1型糖尿病の方の歯を補う方法は、インプラント以外のブリッジ・入れ歯による補綴が選択されます。
2型糖尿病の方は、血糖値の状態が安定しない場合、そのままの状態でインプラント治療を行うと以下のようなトラブルが生じるおそれがあります。
[糖尿病の方(血糖値が安定しない状態の方)のインプラント治療で起きるおそれがあるトラブルの例]
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手術でできた創口が治癒しにくい
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患部の細菌感染が起きやすい
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インプラント体と顎の骨がなかなか結合しない
≪対策方法≫
上記のようなトラブルを避けるために、2型糖尿病の方においては、血糖値を安定させておくことがインプラント治療を受けるための前提条件です。
糖質量の制限による食生活の改善・運動を中心とした血糖コントロールにより、血糖値の安定を保てていれば、インプラント治療を受けられる可能性があります。
2型糖尿病の方のインプラント治療では、糖尿病のかかりつけ医と歯科医師の連携が重要です。
■心臓疾患
◎心臓にかかる負担を軽減すると共に、普段飲んでいる心臓のお薬にも注意が必要になります
心臓病をお持ちの方へのインプラント治療においては、手術時の精神的・肉体的ストレスにより心臓にかかる負担を軽減することが求められます。
心臓への負担の軽減を行うと共に、ワーファリンなど、手術時に血が止まらなくおそれがあるお薬にも注意が必要です。
≪対策方法≫
心臓病の方に対しては、かかりつけの医師との連携により、インプラント手術を適応できるかどうかを慎重に見極めなければなりません。
手術の適応を慎重に見極めると共に、インプラント手術の際は、血圧の状態を注視しながら、心臓への負担を減らすためにできるだけ迅速に手術を行う必要があります。
お薬についても、ワーファリンなどのお薬を飲んでいる場合は、手術の際、迅速に止血をすることで、大量出血のトラブルを防ぎやすくなります。
なお、上記の、血圧を注視しながらの迅速なインプラント手術は、高血圧の方に対しても同様です。
■腎臓疾患
◎歯周組織の状態を安定させると共に、手術後の細菌感染に注意が必要になります
腎臓疾患をお持ちの方(特に人工透析を受けている方)は、免疫力が低下しているケースが多いです。免疫力の低下により、歯周病が進行している場合も。
免疫力が低下しているケースが多いため、腎臓病の方のインプラント治療では以下のようなトラブルが起きやすくなります。
[腎臓病の方のインプラント治療で起きるおそれがあるトラブルの例]
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手術でできた創口が治癒しにくい
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患部の細菌感染が起きやすい
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インプラント体と顎の骨がなかなか結合しない
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手術後、インプラント周囲炎を発症しやすい
≪対策方法≫
すべての患者さまに通ずる点ですが、腎臓病の方に対しては、歯周病治療をしっかり行い、歯周組織の状態を安定させておくことが重要になります。
歯周組織の状態の安定に加え、すべてのインプラント治療と同様に各種衛生機器による細菌感染対策の徹底も欠かせません。
【糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は事前にご相談ください】
あくね歯科クリニックでは、過去10年で2,000症例以上の実績があり、難症例にも数多く対応しています。
基礎疾患をお持ちの方のインプラント治療では、健康状態を注視した上で、インプラント治療の適応可否を適切に判断する必要があります。
インプラントを入れることをご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。相談費は無料です。メールでのお問い合わせも受け付けております(※)。
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