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大人の歯が抜けやすくなるのは、何歳頃から? むし歯より怖い「歯周病」のリスク


食べ物を噛んだり、発音を助ける、見た目を補うなど、大切な役割を果たしている、歯。


大切な歯ですが、不幸にも、何らかの原因により、歯を失ってしまうことも。


大人の歯(永久歯)が抜けやすくなるのは、何歳頃からなのでしょうか?歯を失う原因は?気になる方も多いかと思います。


今回は、「歯を失う原因 TOP3」のお話です。


■歯を失う原因 TOP3


以下のような原因により、歯を失う方が見られます。特に、40代以上の方は注意が必要な病気「歯周病」も。


1位:歯周病 40代以上の中高年の方はご注意を

日本人が歯を失う原因の1位は「歯周病」。


歯を喪失したケースの約4割の方が、歯周病が原因で歯を失っています。


{40代以上の中高年の方は、進行した歯周病が現れやすくなります}


40代以上の中高年の方は、若い頃にかかった歯周病(歯肉炎:初期の歯周病)が時間をかけて進行。中高年以上になり、中度~重度に進行した歯周病として現れやすくなります。


{歯周病の怖さは「痛みなどの症状を感じず、歯周病であることに気づきにくい」点}


欧米など、海外での歯周病のあだ名は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」。

何だか、物騒なあだ名ですが、歯周病に上記のようなあだ名がつけられているのは、理由があります。


「静かな殺し屋」というあだ名が示すとおり、歯周病は痛みなどの自覚症状がないことが多いです。自覚症状がないことが多いため、歯周病の存在に気づかず、長年、歯周病を放置している方も少なくありません。


自覚症状がないことから長年、歯周病を放置した結果、10~数十年をかけて歯周病が進行。40代以上の中高年になって、中度~重度に進行した歯周病が原因で歯ぐきが大きく下がったり、顎の骨が大きく溶けることも。


歯周病が中度~重度に進行し、顎の骨が大きく溶けた場合は、指でつまんで抜けるほど、歯がグラグラになってしまうケースもあります。


2位:むし歯

日本人が歯を失う原因の第2位は「むし歯」。

歯を喪失したケースの約3割の方が、むし歯が原因で歯を失っています。


{30歳以上の方は、二次カリエスになるケースが少なくありません}


二次カリエスとは、治療をした歯が再度、むし歯になってしまうことです。


年齢別の歯の喪失原因の調査結果では、


  • 15~19歳の約1割

  • 20~24歳の約2割

  • 25~29歳の約3割

  • 30~44歳の約4割

  • 45~49歳の約3割


の方が、むし歯によって歯を失っています。


年齢を問わず、歯を失う大きな原因の一つ、むし歯。

上記を見て、何か、気づいたことはありませんでしょうか?


「30歳以上の方の多くが、むし歯で歯を失っている」のです。


30歳以上の方は、以前に受けたむし歯治療で詰め物・被せ物をした歯が再度、むし歯になってしまう(=二次カリエス)ケースが少なくありません。


特に、保険の銀歯の詰め物・被せ物は歯との密着性があまり良くないため、二次カリエスが起きやすい傾向が見られます。

30歳以上の方は、昔、治療した歯の二次カリエスに注意が必要です。


3位:歯根破折

日本人が歯を失う原因の第3位は「歯根破折(しこんはせつ)」。

歯根破折とは、歯の根っこである歯根が割れたり折れてしまった状態です。


歯根破折は治療が難しく、歯根破折が起きたときは多くの場合、抜歯になります。

実際、歯を喪失したケースの約2割の方が、歯根破折が原因で歯を失っています。


{40歳以上の中高年の方は歯根破折にご注意を(特に神経を抜いた歯の歯根破折)}


年齢別の歯の喪失原因の調査結果では、


  • 40~49歳の約1割~1割強

  • 50歳以上の約2割


の方が、歯根破折によって歯を失っています。


40歳以上の中高年の方は、若い頃など、数年~数十年前に神経を抜いた治療済の歯が歯根破折を起こすケースが少なくありません。


神経を抜いた歯は、例えるなら、水と光が供給されなくなった木のようなもの。歯に栄養(を含む血液)が送られなくなるため、神経を抜いた歯はもろくなっています。


若い頃のむし歯治療などで神経を抜いた歯に、数年~数十年をかけて「噛んだときの刺激」によるダメージが蓄積。蓄積した歯(歯冠&歯根)へのダメージが原因で、40歳以上の中高年になって歯根が割れたり折れる歯根破折が起きるケースが多く見られます。


上記、歯の喪失原因のデータの引用元:
(※)公益財団法人8020推進財団
第2回 永久歯の抜歯原因調査」(2018)
より引用。


■歯を失った場合は、どんな治療法で歯を補うのがイイの?


◎顎の骨に埋め入れた人工歯根により、高い安定性を持つ「インプラント」

上記でお伝えしたように、歯を失う原因は様々。


歯を失う原因は様々ですが、歯を失ったときは、歯を補う補綴治療(ほてつちりょう)を受けることが大切です。補綴治療を受けることで、失った歯の「噛む機能」と「見た目の回復」にアプローチできます。


補綴治療の中でも、安定性が高いのがインプラント。


インプラントは顎の骨に直接、ネジのような形をしたインプラント体を埋め入れ、人工の歯根を作ります。顎の骨に人工歯根に作るため、インプラントは安定性が高いです。


インプラントの治療後は、弾力のある物や歯ごたえのある物もしっかり噛んでお食事を楽しめます。


◎ブリッジ・部分入れ歯にしたことが原因で、残っている歯を失うケースも

インプラントのほか、歯を補う補綴治療には、保険のブリッジ・部分入れ歯もあります。

保険が利き、比較的安価に歯を補える反面、ブリッジ・部分入れ歯には注意したい点もあるのです。


実は、ブリッジ・部分入れ歯にしたことが原因で残っている歯を失うケースがあります。


ブリッジ・部分入れ歯が原因で残っている歯を失うことがある、と聞き、「えっ?ブリッジや部分入れ歯は失った歯を補う治療(補綴治療)でしょ?なぜ、歯を失うことがあるの?」


上記のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。


ブリッジ・部分入れ歯が原因で残っている歯を失う理由は、ブリッジ・部分入れ歯は「支えとなっている隣の歯」を傷つけてしまうことがあるためです。


ブリッジが隣の歯を傷つけてしまうことがある理由


ブリッジは、失った歯の両隣(or片側)の歯を削り、橋を渡すように連結した人工歯をかぶせます。


歯を削るため、ブリッジは隣の歯が傷つきやすいです。歯を削ることによるダメージに加え、ブリッジは被せ物と歯の境目に歯垢・汚れが溜まりやすく、むし歯・歯周病が進行しやすいデメリットも。


部分入れ歯が隣の歯を傷つけてしまうことがある理由


部分入れ歯は、残っている歯に金具(クラスプ)をかけ、使用します。


残っている歯に金具をかけるため、部分入れ歯は金具を介し、失った歯の方向に残っている歯がひき倒される形で力がかかります。食べ物を噛む度、ひき倒される力がかかり続けることで、金具をかけた歯がダメージを受けやすいのです。


—–


上記のような理由により、ブリッジ・部分入れ歯にしたことが原因で歯を失うケースが少なくありません。


「保険がきいて安いから」という理由で保険のブリッジ・部分入れ歯にしたものの、支えとなっている歯が傷つき、歯を失う→保険のブリッジ・部分入れ歯で歯を補う→支えとなっている歯が傷つき、歯を失う→保険のブリッジ・部分入れ歯で歯を補う…


という悪循環(ドミノ倒し的な堂々巡り)が生じる場合も。


【歯がガタガタになっている、歯を失ったなど、歯のお困りごとがある方はお気軽にご相談ください】


歯を失った状態を放置すると、全体の歯並び・噛み合わせが乱れたり、全身の筋肉・骨格バランスが乱れやすくなるなど、様々な悪影響が生じる可能性も。


歯を失ったときは、歯科医院で歯を補う補綴治療を受けることが大切です。


歯科医院を受診し、ご自身のお口の状態に合った補綴治療を受けることで、失った歯の「噛む機能」と「見た目の回復」にアプローチできます。


  • 歯周病が進行し、歯がガタガタになっている

  • 歯を失ったが、どの治療法で歯を補うか悩んでいる


など、歯のお困りごとがある方は、当院までお気軽にご相談ください。インプラントの相談費は無料です。メールでのお問い合わせも受け付けております(※)。


診察(カウンセリング)では、患者さまのお悩み・ご希望をお伺いします。お話をお伺いし、歯や顎の状態を確認した上で、それぞれの方に適した治療方法をご提案させていただきます。


(※)メール相談はインプラント治療をご検討されている方のみになります。

あくね歯科クリニック
歯科医師
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