インプラント、と聞くと、「50代以上の中高年の人がするもの」というイメージを持つ方は少なくありません。
たしかに、30代以下の若い方と比べて、50代以上の中高年世代の方がインプラント治療を受けている割合が高いです。
中高年世代の方が受けることが多いインプラント。しかし、インプラントは中高年世代の方のみの治療ではありません。若い方でも、顎の骨と歯ぐきの状態が良ければインプラント治療を受けられます。
目次
■インプラント手術を受ける年齢
◎50代以上でインプラント手術を受ける方が多いです
2022年の厚生労働省の調査では、インプラント装着者の割合は以下のようになっています。
10代 データなし
20代 2.6%
30代 1.3%
40代 0.7%
50代 6.1%
60代 8.1%
70代 9.8%
80代 7.8%
(※)厚生労働省「歯科疾患実態調査」(令和4年)より引用。
50代からインプラント手術を受ける方が増え始め、70代でピークを迎えています。
興味深いのは、30代・40代と比べて、20代の方が2.6%とインプラントの割合が多い点です。20代の方がインプラント治療を受けるケースが多い傾向にあるのは、20代の方がインプラントの安定性の高さやメリットを周知している証拠でしょうか。もし、20代の方がインプラントのメリットを周知した上でインプラントを選択しているのであれば、良い傾向と言えます。
■インプラントに年齢制限はあるの?
◎20歳前後以上で、顎の骨と歯ぐきの状態が良ければ何歳でもインプラント治療を受けられます
インプラントに年齢の上限はありません。ただし、下限はあります。20歳前後です。
20歳前後以上で、顎の骨と歯ぐきの状態が良ければ何歳でもインプラント治療を受けられます(※)。
(※)1型糖尿病の方や顎の骨に放射線治療を受けて
いる方など、絶対的禁忌に該当する方は
インプラント治療を受けられません。
20歳前後以上、と年齢の下限があるのは、20歳前後までは顎が成長して顎の骨格が変わることがあるためです。また、20歳前後は親知らずが生えてくる時期であり、親知らずが前の歯を押して歯並びが変わってしまう場合もあります。
上記の理由から、原則としてインプラント治療は20歳前後以上で顎の成長が落ち着いた成人の方が対象になります。
■若い方にこそ、インプラント治療をおすすめします
◎若い方のインプラント治療にはたくさんのメリットがあります
50代から治療を受ける方が増え始めるインプラント。しかし、インプラントはけっして、中高年世代の方のみの治療ではありません。
むしろ、30代以下の若い方にこそ、インプラント治療をおすすめします。
若い方が歯を失ったとき、インプラントにすることには以下のようなたくさんのメリットがあります。
①残っている歯の寿命を延ばしやすくなる
インプラントは失った歯の箇所にのみ、人工歯根を埋め入れます。ほかの歯を傷つけません。インプラントにすることで、残っている歯の寿命を延ばしやすくなります。
ブリッジ・部分入れ歯は残っている歯を傷つけることがあります。ブリッジ・部分入れ歯が原因で残っている歯を失い続けるケースは少なくありません。
②しっかり噛んで食事を楽しめる
インプラントはネジのような形をしたフィクスチャー(インプラント体)を顎の骨に埋め入れ、人工歯根を作ります。フィクスチャーは生体的現象によって顎の骨と強固に結合するため、非常に安定性が高いです。治療後はご自身の歯に近い感覚でしっかり硬い物も噛んで食事を楽しめます。
若い方が歯を失ったときは、中高年世代の方よりも、「今後の人生で食べ物を噛む年数(寿命が尽きるまで、食事をする回数)」が長いです。
若い方がインプラントにすることで、今後の長い人生において、しっかり噛んで食事を楽しめます。生きることの基本である食事の充実により、生活の質(Quality of Life)の向上にもつながります。
③平均耐用年数が長い
インプラントの平均耐用年数は10~15年以上です。もちろん、10~15年しかインプラントが持たない訳ではありません。毎日のセルフケア(歯磨き+歯間清掃)、および、歯科医院で受ける定期メンテナンスを継続することで、上記の年数以上、インプラントを保ち続けることも十分可能です(※)。
(※)インプラントの耐用年数を保証するもの
ではありません。ケアの状況や患者さまによっ
ては、平均耐用年数以下でインプラントに
不具合が生じる場合があります。
ご参考までに、ブリッジの平均耐用年数は7~8年程度、入れ歯は3~5年程度です。どちらも、定期的に作り替えが必要になります(※)。
(※)インプラントにおいても、人工歯やパー
ツの作り替えが必要になる場合があります。
④自然な白さの歯の色に近づけられる
インプラントの人工歯は透明度が高く光をよく通すセラミックでできています。高い透光性により、天然歯のエナメル質に近い自然な白さの歯を演出可能です。
保険のブリッジ・保険の部分入れ歯(or総入れ歯)はプラスチック樹脂のレジンでできており、歯が白く浮いたような不自然な見た目になることがあります。
【インプラントに関するご質問・ご不安がある方はお気軽にご相談ください】
歯を補う歯科治療を受けるとき、「安いから」「とりあえず、噛めればイイや」という“とりあえずの間に合わせ”的な考えでブリッジ・部分入れ歯を選ぶのは良くありません。
残っている歯の寿命を考えた場合、また、安定性の高さにフォーカスするのであれば、インプラントがおすすめです。
歯を失った際は「残っている歯の寿命を延ばすこと」についてじっくりと考えた上で、補綴治療の種類を選びましょう。
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当院は2,500症例以上のインプラントの治療実績があります。骨造成が必要な難症例にも対応可能です。
失った歯の治療方法やインプラントに関するご質問・ご不安がある方はお気軽にご相談ください。相談費は無料です。メールでのお問い合わせも受け付けております。
カウンセリングでは患者さまのお悩み・ご希望をお伺いし、歯や顎の状態を確認した上でそれぞれの方に適した治療方法をご提案させていただきます。