あくね歯科クリニックでは、歯科用レントゲン(歯科用X線)撮影の際、患者様に防護エプロンを使用しておりません。理由は、防護エプロンは放射線の低減効果がほとんどないとされており、防護エプロンの着用によって撮影の失敗につながることもあるためです(※)。
今回は、当院の「歯科用レントゲン撮影時における防護服の着用方針」についてご説明をさせていただきます。
(※)日本歯科放射線学会防護委員会の指針に基づく方針となります。
目次
■歯科用レントゲンと放射線のお話
◎歯科用レントゲンから出る放射線量は極めて少なく、安全です
当院では、歯科用レントゲン撮影の際に患者様に防護エプロンを使用しておりません。患者様によっては「防護エプロン無しで大丈夫なんですか?」とご心配をされる方もいらっしゃいます。
結論から申しますと、「歯科用レントゲンの撮影時は防護服無しでも安全」です。
歯科用レントゲンの撮影時に出る放射線量は0.01ミリシーベルト程度です。パノラマレントゲン撮影時の場合は0.03ミリシーベルト程度になります。これらは日常生活で受ける自然放射量に比べて、極めて少ない数値です。
ご参考までに、日本人の1人あたりの平均放射線量(被ばく量)は1年間で約1.5ミリシーベルトです(歯科用レントゲン撮影150回分)。たとえば、ほぼあり得ませんが、1年間に150回、歯科用レントゲン撮影を受けたとしても、まだ、日本人の1年間の平均放射線量程度にとどまります。
「健康に被害が出るおそれがある(ガンの発生など)」とされる1年間の放射線量は100ミリシーベルトです(歯科用レントゲン撮影1万回分)。1年間に100ミリシーベルト以下であれば、ガンの過剰発生など、健康に被害はないとされています。
これらの基準から、歯科用レントゲン撮影時に出る放射線量の0.01ミリシーベルトがいかに低い数値であるか、お分かりいただけるかと思います。
■あくね歯科クリニックが歯科用レントゲンで防護服を使わない理由
◎日本歯科放射線学会防護委員会の指針に基づく方針となります
繰り返しになりますが、あくね歯科クリニックでは、歯科用レントゲン撮影の際に患者様に防護エプロンを使用しません。これは、日本歯科放射線学会防護委員会の指針に基づく方針となります。
[日本歯科放射線学会防護委員会の指針内容]
歯科用レントゲン(歯科用X線)撮影時における防護エプロンの線量低減効果はほとんど無いとされている。歯科用レントゲン撮影で防護エプロンを着用するとエプロンの影が映り込みやすく、再撮影のリスクが上昇する。このため、歯科用レントゲン撮影においては防護エプロンを着用せず、映り込みによる再撮影のリスクおよび再被ばくのリスクを避けた方が良い。
歯科エックス線撮影における防護エプロン使用についての指針
(日本歯科放射線学会防護委員会 2015年)
■歯科用CTの撮影時には防護エプロンを着用していただきます
◎歯科用CTは歯科用レントゲンと比べてわずかに放射線量が上がります
歯科用CTの撮影時には、患者様に防護エプロンを着用していただきます。理由は、歯科用CTの撮影時における放射線量は1回あたり0.1ミリシーベルトであり、歯科用レントゲンと比べるとわずかに放射線量が上がるためです。
ただし、この数値も医科用CT(全身CT)の放射線量(約6.9ミリシーベルト)と比べると70分の1程度であり、放射線量としては極めて少ない数値です。歯科用CTが原因で健康被害が出るおそれはまずありません。ご安心ください。
【治療精度の担保と安全性の高い治療を行います。】
歯科用レントゲンや歯科用CTから出る放射線量は極めて少ないです。レントゲンやCTの撮影が原因で健康被害が出る可能性はほぼありません。
レントゲンやCTから得られるデータは精密な歯科治療を行うためには欠かせません。特にインプラントや矯正治療ではCT画像に基づく精密な診断が必須となります。
患者様の安全に配慮した根拠のある診療を行っておりますので、歯のお悩みはお気軽にあくね歯科へご相談ください。