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奥歯がない放置で顔の歪みが生じる?片側噛みの影響と治療の選択肢

奥歯がない放置で顔の歪みが生じる?片側噛みの影響と治療の選択肢

鏡に映るフェイスラインの左右差、奥歯の欠損と関係があるのでしょうか


左の奥歯を抜いたまま数年、気づけば右側ばかりで噛んでいた——。写真を見て輪郭の違いが気になり始めた方は、思いのほか多くいらっしゃいます。ここでは片側噛みと顔の左右差がつながりうる仕組みを整理し、ブリッジ・入れ歯・インプラントそれぞれの特徴と費用の目安まで客観的にお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 奥歯の欠損や片側噛みの継続は、咬筋の偏りや輪郭の左右差につながる場合があります。
  • 期間が空いても骨造成等の併用により、状態に応じた治療の検討が可能です。
  • 欠損を補う方法にはブリッジ・入れ歯・インプラントなど複数の選択肢があります。

奥歯がない放置が顔の歪みや輪郭の非対称を招くメカニズム

奥歯がない放置が顔の歪みや輪郭の非対称を招くメカニズム

片側噛みによる咬筋の左右差と顎関節への負担


奥歯を失った側は噛みにくさが残るため、無意識のうちに反対側ばかりを使うようになりがちです。咀嚼を担う咬筋や側頭筋は、使う頻度が高いほど発達し、使わない側は少しずつ細くなる傾向があるとされています。噛んでいる側の頬のふくらみが強まり、それがフェイスラインの左右差として表れる場合があります。


片側に負担が集中すると、顎関節にかかる力の向きも偏りやすくなります。口を開けるときの音や、朝起きたときの顎のだるさとして気づく方もいらっしゃいます。噛み方の癖は毎日数千回積み重なるもの。短い期間では変化を感じにくく、写真や鏡でふと目にとまるケースが多いようです1


使われない側の歯槽骨吸収と頬のこけ・たるみ


歯を支える歯槽骨は、噛む刺激が伝わることで形態が保たれるといわれます。奥歯が抜けた部位には刺激が届きにくく、時間の経過とともに幅や高さが減っていくことがあります。骨のボリュームが落ちれば、その上にある歯ぐきや頬の軟組織を内側から支える土台も弱まりやすくなります。


頬がこけたように見えたり、口角まわりのラインが下がって見えたり。こうした印象の変化の背景には、構造的な要因が関わっている可能性があります。ほうれい線の深まりを加齢だけの問題と捉えがちですが、口腔内の土台が痩せることも見た目に影響しうる要素と考えられています1


「1本だけでも顔は変わる?」第一大臼歯と第二大臼歯の影響度


「1本くらいなら」と考える方は多いのですが、奥歯は本数以上に位置が意味を持ちます。とりわけ第一大臼歯は上下の噛み合わせの高さを決める要の歯で、噛む力の負担割合も大きい歯です。ここを失うと、残った歯に想定以上の力が集中しやすくなります。


一方、第二大臼歯や親知らずの位置では、失っても自覚的な変化が乏しい場合もあります。ただし変化が小さいことと、影響がないことは別の話です。診療ガイドラインでも欠損部の状態に応じた個別評価が前提とされており2、どの程度の影響が出ているかは画像診断と咬合の確認を経て判断していきます。


放置期間が長い場合に生じる口腔リスクと顎の緊張


隣り合う歯の傾斜と噛み合っていた歯の挺出


歯は隣の歯と支え合い、上下で噛み合うことで位置を保っています。欠損スペースができると、隣接する歯がその空間へ向かって少しずつ傾いていくことがあります。同時に、噛み合う相手を失った反対側の歯が伸び出すように移動する場合もあります。


傾斜と挺出が進むと、単に1本を補うだけでは収まらなくなることがあります。傾いた歯を起こしたり、伸びた歯の高さを整えたりする咬合再構成が必要になり、治療の手数と期間が増える方向に働きます。放置期間が数か月の場合と数年の場合とでは、この点で差が出やすくなります2


無意識に顎に力が入りすぎる症状と全身への影響


噛み合わせが不安定になると、上下の歯を接触させて位置を探すような動きが増え、日中でも顎に力が入り続ける状態が生まれることがあります。本来、上下の歯が触れているのは食事や嚥下のわずかな時間だけとされています。


筋緊張が続くと、こめかみや後頭部の重さ、肩まわりのこわばりとして自覚されることがあります。「顎に力が入りすぎる」とご相談くださる方の背景に、欠損部の存在が関わっている場合も見受けられます。口腔の状態が全身の調子と結びつく点は、公的な健康情報でも繰り返し触れられているところです1


骨が痩せてしまった状態からの骨造成と治療期間の目安


長期間そのままで骨の厚みや高さが不足していても、そこで選択肢が閉ざされるわけではありません。骨補填材などでボリュームの回復を図る骨造成という手法があり、上顎の奥歯であれば上顎洞底を挙上するソケットリフトやサイナスリフトが検討されます。


当院の目安としては、ソケットリフトで骨の治癒におよそ3ヶ月、サイナスリフトでは8〜10ヶ月ほどを見込み、最終的な被せ物まで含めると1年から1年4ヶ月程度となるケースがあります。見通しは骨の状態によって変わりますので、検査結果をもとに個別にご説明しています2


失った奥歯を補う3つの選択肢と治療特徴の整理

失った奥歯を補う3つの選択肢と治療特徴の整理

ブリッジ・入れ歯・インプラントの費用感と適応条件


欠損部を補う方法は大きく3つに分かれ、土台の考え方がそれぞれ異なります。


  • ブリッジ:両隣の歯を支台として橋を架ける方式。固定式で違和感が少ないとされる一方、健康な隣在歯を一定量整える必要があります。保険適用の材料なら数千円〜2万円程度が目安です。
  • 部分入れ歯:取り外し式で、外科処置を伴わずに対応できます。保険適用なら1万円前後から。バネのかかる歯への負担や、装着感への慣れが検討事項になります。
  • インプラント:顎の骨に人工歯根を埋入し、単独で自立させる方式。隣の歯を触らずに済みますが自由診療となり、当院では臼歯部1本で319,000円(税込)〜、骨造成を併用する症例では約46万円前後となった例があります。

保険診療と自由診療における機能性・審美性の違い


保険診療は費用負担を抑えられる制度上の利点があり、まず検討する価値があります。ただし使える材料や設計に一定の枠があるため、金属色が見えることや、噛む力の伝わり方に制約が生じる場合があります。


自由診療は材料や設計の自由度が広く、噛み合わせ全体を見据えた設計を組みやすい点が特徴です。費用は高くなるものの、残っている歯を守るという長期的な視点で選ばれる方もいらっしゃいます。当院ではエビデンスに基づいた診査・診断のうえで治療のゴールを明確にし、必要性の乏しい検査や治療による費用を抑えることを方針としています。医療費控除やデンタルローンの活用も含め、遠慮なくご相談ください2


歪んでしまったフェイスラインは治療によって整うのか


欠損部を補い両側で噛める環境に近づくと、片側に偏っていた筋活動が分散され、咬筋への負荷バランスが変わっていくと考えられます。とはいえ、長年かけて生じた筋肉や骨の変化がどこまで戻るかには個人差があり、一律の見通しをお示しすることはできません。


補綴処置と並行して、噛む側を意識的に切り替える練習や、口腔周囲筋のトレーニングを取り入れる方法もあります。見た目の変化を追うよりも、これ以上偏りを進めない環境を整えることが現実的な目標になります1


愛知県で家事や仕事と両立しながら進める奥歯の相談


歯科用CTを活用した顎骨と噛み合わせの診査


奥歯の欠損をどう補うかは、外から見える範囲だけでは決められません。骨の厚みや高さ、上顎洞や下顎管といった解剖学的構造との距離を立体的に把握して、はじめて実行可能な計画が組み立てられます。


当院では歯科用CTによる三次元的な撮影に加え、マイクロスコープによる拡大視野での確認、口腔内スキャナーによる型取りを組み合わせています。外科処置は無影灯を備えたオペ室で行い、衛生管理に配慮した環境を整えました。画像診断で見通しを共有してから治療方針を決めるため、途中で計画が大きく揺れる事態を減らしやすくなります2


放置期間を気にせず一人ひとりに合わせた計画を立てる手順


「3年もそのままにしていたことを咎められないだろうか」——そう感じて足が向かない方は、決して珍しくありません。歯科医院はこれまでの経過を責める場ではなく、今の状態から先をどう組み立てるかを一緒に考える場所だと考えています。


愛知県内でお子さまの送迎やパート勤務と両立しながら通われる患者さまも多く、通院回数や1回あたりの時間、ご予算の希望を最初にすり合わせたうえで計画を立てています。当院ではインプラントの無料相談を設けており、費用面や治療期間の疑問にお答えしています。まずは検査で現状を数字と画像から把握するところから始めてみてください1


よくある質問


Q1. 奥歯がないと顔は歪みますか?

A. 必ず歪むと決まっているわけではありません。ただ、片側だけで噛む習慣が続くと咬筋の発達に左右差が生じ、輪郭の印象が変わることがあります。骨の吸収が進んだ場合も、頬まわりの支えが弱まる要因になりえます。


Q2. 奥歯を抜くと顔つきは変わりますか?

A. 抜歯そのものが直後に顔立ちを変えるわけではありません。ただし補綴をせずに時間が経つと、噛み方の偏りや歯槽骨の変化を通じて、少しずつ印象が変わる可能性があります。


Q3. 親知らずを抜いたまま放置した場合も同様ですか?

A. 親知らずは噛み合わせに参加していないことも多く、抜歯後そのままで経過をみるケースもあります。ただし手前の歯の状態によって判断が変わるため、レントゲンでの確認をおすすめします。


Q4. 顔の左右差が気になります。どのような対応がありますか?

A. まず要因が噛み合わせにあるのか、姿勢や骨格由来なのかを切り分ける必要があります。歯科では欠損部の補綴、噛む側の偏りへのアプローチ、必要に応じた口腔周囲筋のトレーニングを組み合わせて検討します。


Q5. 何年もそのままにしていたのですが、今からでも治療できますか?

A. 骨が痩せている場合でも、骨造成を併用して選択肢を確保できることがあります。まずはCT撮影で骨の状態を確認し、現実的な方法をご提案します。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/


阿久根 竜大

歯科医師


あくね歯科クリニック

院長

阿久根 竜大

▶ 監修者プロフィール

経歴
福岡歯科大学卒業(2002年)
福岡大学病院歯科口腔外科入局
白十字病院口腔外科非常勤
小文字歯科非常勤(主に往診診療)
加藤歯科医院常勤(愛知県安城市)
あくね歯科クリニック(2008年 副院長就任)
あくね歯科クリニック(2014年7月 院長就任)
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会専門医
ICOI(国際インプラント学会)アメリカ 認定医
日本顎咬合学会 認定医
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト
国際インプラントITIメンバー(International Team for Implantology Membership)
日本歯周病学会
日本顕微鏡歯科学会
日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
日本歯科医師会 愛知県歯科医師会
名古屋市緑区歯科医師会
ライトタッチレーザー会員