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硬いものが噛みにくいと感じたら知っておきたい、噛む力と脳の関わり
「最近お煎餅が噛みにくい」「親の食べこぼしが増えた」——こうした変化にお心当たりはありませんか。噛む力の衰えは加齢のサインにとどまらず、認知機能との関連も指摘されています。本記事では医学的な仕組み、ご自宅でのセルフチェック、歯科での対応までをやさしくご紹介します。
この記事の要点まとめ
- 咀嚼刺激は脳血流や海馬の働きに関わるとされ、噛む力の維持は脳の健康と関連が指摘されている
- 食事中の変化はオーラルフレイルのサインの可能性があり、早めの歯科相談が選択肢を広げる
- 口腔体操やよく噛む習慣など、日常的なセルフケアが咀嚼機能の維持に役立つとされている
目次
- 噛む力の低下と認知症の意外な関係性とは?医学的なメカニズムを解説
- 単なる加齢と放置していませんか?「オーラルフレイル」のサインと自己診断
- 歯科医院で行う「噛む力」の精密検査と治療の選択肢
- 日常で今日から取り組める!噛む力を維持・向上させる生活習慣
噛む力の低下と認知症の意外な関係性とは?医学的なメカニズムを解説
近年の研究から、「噛む」という何気ない動作が脳の健康と関わっている可能性が示されてきました。ここでは咀嚼と脳の関係、認知症のタイプによる違い、発症後のアプローチまでを医学的な視点で整理します。
噛む刺激が脳の血流に働きかけ、神経細胞の維持を助ける仕組み
食べ物を噛むと、歯を支える歯根膜や咀嚼筋から三叉神経を介して脳へ信号が送られます。この刺激は脳の血流を促し、記憶に関わる海馬や前頭前野の働きを支えると報告されています。さらに咀嚼はセロトニンなどの神経伝達物質の分泌にも関与し、神経細胞の維持を助けると考えられています。しっかり噛むことは、脳への大切な刺激の一つといえます。
【意外と知られていない】アルツハイマー型と脳血管性認知症による咀嚼機能の影響の違い
一口に認知症といってもタイプはさまざまで、噛む力との関わり方も異なります。アルツハイマー型では、咀嚼刺激の減少が海馬の萎縮に関わりうるとする研究があります。脳血管性認知症では、噛むことによる脳血流の変化が症状の経過に影響しやすいと指摘されています。いずれのタイプでも、咀嚼機能を保つことは脳への刺激を維持するうえで意義があると考えられています。
すでに発症している場合でも遅くない!咀嚼機能の改善が生活の質に与える影響
認知症を発症された方でも、義歯の調整や口腔ケアによって噛む力が整うと、食事量や表情、コミュニケーションに前向きな変化がみられたとの報告があります。進行を止めるものではありませんが、口腔環境を整えることは生活の質の維持に寄与すると考えられています。ご家族と一緒に歯科へ相談することが、無理のない一歩となります。
単なる加齢と放置していませんか?「オーラルフレイル」のサインと自己診断

「年だから仕方ない」で片付けてしまいがちなお口の変化。その背景にオーラルフレイルが隠れているケースは少なくありません。早めに気づけば、対応の選択肢は広がります。
「年だから仕方ない」は誤解になりがち。健康寿命と関わるオーラルフレイルとは
オーラルフレイルとは、噛む・飲み込む・話すといった口腔機能がわずかに衰え始めた状態を指します。放置すると口腔機能低下症へ進み、全身のフレイル(虚弱)や認知機能の低下と関わる可能性があります。加齢そのものは避けられませんが、オーラルフレイルは適切なケアで改善が見込める段階とされています。この違いを知っておくことが大切です。
自宅で1分!噛む力と口の機能のセルフチェックリスト
以下に一つでも当てはまる場合は注意が必要です。
- 硬いお煎餅やお肉が噛みにくい
- 食事中にむせることが増えた
- 滑舌が悪くなったと感じる
- 口の乾きが気になる
- 食べこぼしがある
該当項目が複数ある場合は、早めに歯科医院への相談をご検討ください。
ご家族が気づきたい「食事中の変化」と声かけのコツ
高齢のご家族の場合、柔らかいものばかり選ぶ、食事時間が長くなる、飲み込む前にむせるといった変化がサインになります。指摘するとご本人が傷ついてしまうこともあるため、「一緒に検診に行ってみない?」と共に行動する形での声かけがスムーズです。ご家族の付き添いは、受診への心理的なハードルを下げてくれます。
歯科医院で行う「噛む力」の精密検査と治療の選択肢
噛む力は感覚だけでなく、客観的な数値としても把握できます。歯科医院での検査と、機能を整えるための治療の選択肢を知っておきましょう。
咬合力測定器による客観的な数値化と、年齢別の噛む力平均値
歯科医院では専用の咬合力計や感圧シートを使い、噛む力を数値化することができます。成人の咬合力の平均は男性で約60kg前後、女性で約40kg前後とされ、年齢とともに緩やかに低下していく傾向があります。数値で見える化することで、ご自身の状態を客観的に把握でき、対策の目安も立てやすくなります。定期的な測定は、わずかな変化を早期に捉える手がかりになります。
歯を失った場合の選択肢:インプラント・入れ歯・ブリッジによる咀嚼効率の違い
歯を失った場合の主な選択肢は次の3つです。
- インプラント:顎の骨に人工歯根を埋入する方法。天然歯に近い噛み心地が見込まれる
- ブリッジ:両隣の歯を支えにする固定式。ただし隣の歯を削る必要がある
- 入れ歯(義歯):着脱式で適応範囲が広いが、咀嚼効率はやや落ちる傾向
どの方法にも特徴があり、術後のメンテナンスが長期的な機能維持には欠かせません。ご自身の状況や希望に合わせた選択を、歯科医師とじっくりご相談ください。
あくね歯科クリニックが実践する歯科用CTを活用した精密な噛み合わせ診断
当院では歯科用CTとマイクロスコープを用いて、骨の状態や噛み合わせを立体的に把握したうえで治療計画を立てています。公式サイトにも記載のとおり、当院では科学的データを元にエビデンスに基づいた診断と治療を大切にしています。噛む力に不安がある方は、まずは精密検査からご相談ください。
日常で今日から取り組める!噛む力を維持・向上させる生活習慣
特別な道具がなくても、毎日の習慣の中で噛む力は育てられます。今日から始められる工夫をご紹介します。
一口30回を意識する食事法と、噛み応えをプラスする食材選びの工夫
食事のたびに一口30回を目安に噛むと、唾液分泌が促され、消化にも良い影響があるとされます。根菜類やきのこ、玄米など噛み応えのある食材を取り入れ、左右バランスよく噛むことを意識してみましょう。片側噛みは顎への負担につながることがあるため、意識したいポイントです。
ガムを噛む習慣の予防的な意義と、咀嚼力を支える市販グッズ
シュガーレスガムを1日10〜15分噛む習慣は、脳血流の増加や唾液分泌の促進に役立つと報告されています。市販の咀嚼トレーニング用シリコンチューブなども、手軽に取り入れられる選択肢の一つです。
お口周りの筋力を維持する「口腔体操」の簡単な実践ステップ
「パ・タ・カ・ラ」を各10回発音するパタカラ体操や、頬をふくらませる運動は、咀嚼と嚥下に関わる筋肉を支えます。テレビを見ながらでも続けられるので、毎日の習慣に少しずつ取り入れてみてください。
よくある質問
Q1. 噛む力と認知症の関係は本当にあるのですか?
A. 複数の研究で、咀嚼刺激が脳血流や海馬の働きに関わることが示されています。因果関係のすべてが解明されたわけではありませんが、噛む力を保つことは脳の健康維持に役立つと考えられています。
Q2. 認知症の原因として多いものは何ですか?
A. 現時点で多いとされるのはアルツハイマー型認知症で、全体の半数以上を占めるといわれています。次いで脳血管性認知症、レビー小体型認知症が続きます。
Q3. 片側だけで噛む癖は認知症と関係ありますか?
A. 片側噛みは咀嚼刺激の偏りや顎関節への負担につながる可能性があります。左右バランスよく噛むことが、脳への均等な刺激と口腔機能の維持に望ましいとされています。
Q4. 高齢の方の咀嚼力低下の主な原因は何ですか?
A. 歯の喪失、合わない義歯の使用、口腔筋の衰え、唾液分泌の減少などが複合的に関わります。定期的な歯科検診でこれらを早期に把握することが大切です。
Q5. すでに歯を何本か失っています。今からでも対策は間に合いますか?
A. 何歳からでも口腔機能を整える取り組みには意義があります。残っている歯を守り、失った部分を適切に補うことで、噛む力の維持が見込まれます。まずは精密検査でご相談ください。
福岡大学病院歯科口腔外科入局
白十字病院口腔外科非常勤
小文字歯科非常勤(主に往診診療)
加藤歯科医院常勤(愛知県安城市)
あくね歯科クリニック(2008年 副院長就任)
あくね歯科クリニック(2014年7月 院長就任)
ICOI(国際インプラント学会)アメリカ 認定医
日本顎咬合学会 認定医
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト
国際インプラントITIメンバー(International Team for Implantology Membership)
日本歯周病学会
日本顕微鏡歯科学会
日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
日本歯科医師会 愛知県歯科医師会
名古屋市緑区歯科医師会
ライトタッチレーザー会員
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