
「骨が足りない」と言われた方が知りたい治療期間の全体像
他院で「骨が薄いため骨造成が必要」と言われ、通院がいつまで続くのか見通せずお困りではないでしょうか。骨造成を併用すると、骨が育つのを待つ期間が加わり、工程も増えていきます。この記事では検査から人工歯装着までを時系列で整理し、通院ペースの目安までお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 骨造成を伴う場合、全体で1年前後の通院期間となることがあります
- 検査から埋入、治癒期間を経て人工歯装着まで段階を踏んで進みます
- 術後の食事・禁煙・栄養管理が骨の定着に関わると考えられています
骨造成ありのインプラント治療にかかる全体期間と通院ペースの目安

骨造成を併用する場合のトータル治療期間の目安
骨造成を伴わないインプラント治療であれば、埋入から人工歯の装着まで概ね3〜6ヶ月が一つの目安とされます。ここに顎の骨を増やす処置が加わると、骨が成熟するまでの時間が上乗せされます。当院の考え方では、上顎の奥歯に用いるソケットリフトで3ヶ月程度、サイナスリフトでは8〜10ヶ月程度の待機を見込み、全体で1年〜1年4ヶ月ほどになるケースもあります。骨の再生は生体の治癒力に委ねる部分が大きいため、急がず段階を踏むことが長期的な維持につながると考えられています3。ただし経過には個人差があり、期間は目安としてお考えください。
埋入と同時に骨造成を行う場合と段階的に行う場合の違い
骨の不足がわずかな場合は、インプラント埋入と骨造成(GBR法など)を同じ日に行える場合があり、手術回数も全体の期間も抑えられることがあります。逆に高さや幅が大きく足りないときは、まず骨を造る処置だけを行い、定着を確かめてから埋入へ進む段階的な進め方を選びます。どちらが向くかは骨量と部位から判断し、歯科用CTの立体データが検討のよりどころ。抜歯が先行する場合は、抜歯部位の骨の吸収を抑えるソケットプリザベーションを併用し、その後の骨造成の負担を軽くする方法も検討します4。
日常生活や仕事と両立しやすい通院スケジュール
通院は手術の翌日〜数日後の消毒、1週間前後の抜糸、その後は経過観察として月1回程度が一般的な流れです。待機期間中に毎週通う必要はなく、チェアタイムが長くなるのは手術日と型取り、装着時が中心。パート勤務やご家族の予定に合わせ、手術を週末前に設定して腫れの落ち着く時間を確保する、といった調整も可能です。当院では歯科用CTの撮影を含めた無料相談を設けており、治療計画と通院回数の見通しを先にご確認いただけます。
事前検査から人工歯装着まで!骨造成を伴う治療ステップの詳細
ステップ1:歯科用CTによる精密検査と治療計画の立案
はじめのカウンセリングでお悩みと生活状況をうかがい、続いて歯科用CTで顎の骨を三次元的に撮影します。平面のレントゲンでは読み取りにくい骨の厚み、上顎洞の位置、神経や血管の走行まで把握しやすくなるため、必要な骨造成の術式と量を数値で見積もりやすくなるのが利点。診査・診断にもとづく計画立案は、科学的根拠を踏まえた医療の基本姿勢として重視されています1。当院では院長が咬み合わせ全体も含めて診査し、費用と期間を書面でご説明したうえでご検討いただきます。
ステップ2:衛生管理されたオペ室での骨造成とインプラント埋入
骨の幅が足りない部位にはGBR法で骨補填材や自家骨を置き、メンブレンで覆って再生を促します。上顎の奥歯で高さが不足する場合は上顎洞底を持ち上げるソケットリフト、より大きく増やす必要があればサイナスリフトを検討します。外科処置では感染対策が重要となるため3、当院は無影灯を備えたオペ室と器具の滅菌管理体制を整えています。手術への緊張が強い方には、静脈内鎮静法のご相談も承ります。
ステップ3:骨の定着を待つ治癒期間と仮歯での過ごし方
骨とインプラントが結合するまでの数ヶ月は、見た目や食事が気になる時期でもあります。部位や骨の状態によっては、仮歯や仮の入れ歯で見た目と機能を補いながら過ごせる場合があります。ただし仮歯は手術部位に強い力をかけない設計となるため、硬い食材は反対側で噛むといった工夫が必要。この期間の過ごし方は事前にご説明し、無理のない範囲を一緒に決めていきます。
ステップ4:アバットメント装着と人工歯の作製・噛み合わせ調整
骨の状態を確認できたら土台となるアバットメントを連結し、歯ぐきの形が整うのを待って型取りへ進みます。当院は口腔内スキャナーとデジタルラボを併設しており、粘土状の材料による負担の少ない型取りと工程の短縮が図れます。装着後は咬み合わせを細かく調整し、以降はインプラント治療に精通した歯科衛生士による定期メンテナンスが長期的な維持に関わります4。
骨の定着を順調に進めるためのセルフケアと注意点
術後数日間の過ごし方と食事・歯磨きのポイント
手術当日は麻酔が切れる前に処方薬を服用し、患部を舌や指で触らないように過ごします。食事はおかゆ、豆腐、ポタージュなど噛む力を要さないものから。熱すぎるもの・硬いもの・刺激の強いものは数日間控えるのが基本です。歯磨きは手術部位を避けて他の歯を通常どおり清掃し、患部周辺は処方された洗口液でやさしくすすぎます。強くうがいをすると縫合部に負担がかかるため、口に含んで静かに吐き出す程度にとどめてください。飲酒、激しい運動、長時間の入浴は血流が増えて腫れが出やすくなるため、1週間ほどは控えめに。
骨の形成を助ける栄養素と日常生活の習慣
骨の再生には材料と土台が必要です。カルシウム、その吸収を助けるビタミンD、コラーゲンの合成に関わるタンパク質やビタミンCを、乳製品・小魚・卵・大豆製品・緑黄色野菜からバランスよく摂りたいところ2。喫煙は歯ぐきの血流を妨げ、治癒の遅れや骨造成部位のトラブルにつながる要因として指摘されています3。治療期間中は禁煙のご協力をお願いしています。睡眠時間を確保し、糖分の多い間食を控えることも口腔内の環境維持に役立つと考えられます。
術後の腫れや痛みの一般的な経過と確認基準
腫れや痛みは術後2〜3日目にピークを迎え、その後は徐々に和らぎ、多くは1週間ほどで傷口が落ち着いてくる経過をたどります。頬の内出血や、口を大きく開けにくい感覚が数日続くこともあります。ただし、痛み止めが効きにくい強い痛みが4日以降も続く、腫れが増していく、発熱がある、鼻から出血するといった場合は、予定を待たずご連絡ください。サイナスリフト後は強く鼻をかむ動作を控えるなど、術式ごとの注意点も事前にお伝えしています4。
よくある質問
Q1. 骨造成手術そのものにかかる時間はどのくらいですか?
A. 術式や範囲によりますが、GBR法やソケットリフトを併用したインプラント埋入なら、手術自体は概ね1〜2時間程度が目安です。サイナスリフトのように広い範囲を扱う場合は、これより長くなることもあります。術前の説明時に、当日の所要時間の見込みをお伝えします。
Q2. 骨造成は公的保険の適用になりますか?
A. 現行の制度では、インプラント治療に付随する骨造成は原則として自由診療(自費)の扱いです。ただし、先天的な疾患や腫瘍・外傷による顎の骨の欠損など、限られた条件で公的保険の対象となる場合があります。医療費控除やデンタルローンをご利用いただける点も含め、費用面はカウンセリングでご案内します。
Q3. 骨造成はどのくらいの割合で順調に経過しますか?
A. 術式・部位・全身状態・喫煙習慣などで左右されるため一律の数値は示せませんが、報告では良好な経過が得られる割合が高いとされています。一方で、骨が想定どおり育たず追加処置を検討する場合もあり、結果をお約束するものではありません。事前の診査と術後の管理が経過に関わると考えられています。
Q4. 痛みはいつまで続きますか?
A. 多くの場合、痛みは2〜3日目までが強く、処方された鎮痛薬で対応しながら1週間ほどで和らいでいきます。腫れもおおむね同様の経過です。想定と異なる症状が続くときは、次回予約を待たずにご相談ください。
Q5. 待機期間中、歯がない見た目のまま過ごすことになりますか?
A. 部位や骨の状態次第では、仮歯や仮の装置で見た目と機能を補いながら過ごせる場合があります。ただし手術部位に負担をかけない設計が前提となるため、噛み方には配慮が必要です。ご希望を踏まえて計画段階で調整します。
参考文献
1. Minds ガイドラインライブラリ(公益財団法人 日本医療機能評価機構)https://minds.jcqhc.or.jp/
2. 健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)(厚生労働省)https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
3. 日本口腔インプラント学会 https://www.shika-implant.org/
4. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/
福岡大学病院歯科口腔外科入局
白十字病院口腔外科非常勤
小文字歯科非常勤(主に往診診療)
加藤歯科医院常勤(愛知県安城市)
あくね歯科クリニック(2008年 副院長就任)
あくね歯科クリニック(2014年7月 院長就任)
ICOI(国際インプラント学会)アメリカ 認定医
日本顎咬合学会 認定医
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト
国際インプラントITIメンバー(International Team for Implantology Membership)
日本歯周病学会
日本顕微鏡歯科学会
日本抗加齢医学会(アンチエイジング)
日本歯科医師会 愛知県歯科医師会
名古屋市緑区歯科医師会
ライトタッチレーザー会員
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