BLOG ブログ

インプラント よく使われる用語の解説


インプラントは外科的手術を行う自費診療であり、保険診療と比べて費用が大きくなります。


大きい費用がかかるからこそ、患者様がご納得して治療を受けるためにはカウンセリングで歯科医師が話す内容をしっかり理解しておくことが重要です。


今回は、カウンセリングの際によく使われるいくつかの用語を解説します。できるだけ難しい言葉は避け、わかりやすく記述していますのでぜひご参照ください。


■インプラントの基礎用語


・インプラント

顎の骨(歯槽骨)にフィクスチャーを埋め入れ、人工歯根を作る治療法。フィクスチャーに連結パーツであるアバットメントを接続し、アバットメントに上部構造(人工歯)を接続してインプラントが完成する。


・フィクスチャー

顎の骨に埋め入れるネジのような形をしたパーツ。人工歯根。チタン金属製の物が多い。


・アバットメント

フィクスチャーに接続する連結パーツ。フィクスチャーと上部構造をつなぎ留める役割を持つ。


・上部構造

アバットメントに接続する人工歯。現在はセラミック製の物(ジルコニア)が主流。


・オッセオインテグレーション

顎の骨とチタン(フィクスチャーの素材)が顕微鏡レベルの細かさで結合する生体現象。オッセオインテグレーションにより、チタン金属の細かい穴の中に顎の骨が入り込むように結合するため、インプラントは非常に安定性が高い。1952年に「近代インプラントの父」と呼ばれるスウェーデンのブローネマルク教授が発見。


・仮歯

最終的な上部構造(本歯)が入るまでの仮の人工歯。テックとも呼ばれる。


・ヒーリングアバットメント

2回法の2回目の手術で使われる仮のアバットメント。歯ぐきの治癒が確認できたら、本アバットメントに取り換える。


・アクセスホール

上部構造(人工歯)の底に空いている穴。上部構造をアバットメントにスクリュー固定するためのもの。


・プラットホーム

フィクスチャーとアバットメントの接続面。


・ポンティック

複数の歯をインプラントで補う際に用いるブリッジ。インプラントや天然の歯で両側を支えられており、人工歯根(フィクスチャー)がない部分の人工歯のこと。


・動揺

歯やインプラントがグラグラと揺れること。歯周病やインプラント周囲炎が重度になると動揺が発生することがある。


■インプラント手術の関連用語


・2回法

手術を2回に分けて行う方法。1回目の手術では顎の骨にフィクスチャーを埋め入れ、一度歯ぐきを閉じる。2回目の手術では再度歯ぐきを切開し、アバットメントを取り付ける。2回目の手術の後、歯ぐきの治癒が確認できたらアバットメントに人工歯を取り付けて治療が完了する。


2回法ではフィクスチャーとアバットメントが分かれた2ピースインプラントを使用する。


2回法はアバットメントを歯ぐきのラインに合わせやすく、仕上がりの見た目(人工歯と歯ぐきのライン)をより自然に近づけやすいメリットがある。デメリットは2回の手術を行うため、1回法と比べて肉体的負担が大きい点。


・1回法

手術を1回で済ませる方法。フィクスチャーとアバットメントが一体化した1ピースインプラントを使用し、1回の手術でフィクスチャーの埋め入れとアバットメントの接続を完了させる。


1回法は1回の手術で済むため、患者様の肉体的・精神的負担を軽減できるメリットがある。デメリットはフィクスチャーとアバットメントが一体化しているため、埋め入れ後に人工歯と歯ぐきのラインを調整しにくい点。


・骨造成

フィクスチャーの埋め入れるために必要な顎の骨の幅や高さ、骨量が足りない場合に行う補助手術。骨造成をすることで顎の骨を増やし、フィクスチャーの埋め入れに必要な骨量を確保する。GBRやサイナスリフト、ソケットリフトなどの方法がある。


・GBR

自家骨(患者様ご自身の骨(主に下顎から採取します))、他家骨(主にウシの骨)、人工骨(リン酸カルシウムやコラーゲンなど)を使用し、歯槽骨の再生をうながす骨造成術(再生療法)。歯ぐきを切開し、骨補填材を埋め入れてメンブレンという人工膜で覆い、骨造成を行う。


・サイナスリフト

上顎の骨の高さが大きく不足している場合に行う骨造成術。歯ぐきの側面に窓を作り、上顎の上にある上顎洞(じょうがくどう)の中に骨補填材を入れ、骨造成を行う。


・ソケットリフト

上顎の骨の高さが少し不足している場合に行う骨造成術。歯根面から歯ぐきを切開し、上顎洞の底に骨補填材を入れ、骨造成を行う。


・再生療法


再生誘導剤を使用し、失われた歯ぐきや歯槽骨の回復をうながす治療法。再生療法にはGBRやエムドゲインゲルを用いた方法などがある。


・メンブレン

GBRなどの再生療法の際に用いられる人工の膜。コラーゲン由来の吸収性メンブレンのほか、ゴアテックス製の非吸収性メンブレンがある。


・エムドゲイン

幼若ブタのタンパク質を基に作られた再生誘導剤。歯ぐきや歯槽骨の回復をうながす作用を持つ。


・サージカルステント

正しい位置にフィクスチャーを埋め入れるため、手術の際に用いるガイド器具。サージカルガイドとも呼ばれる。


・表面麻酔

麻酔注射の刺入時の痛みをやわらげるため、液体状・ジェル状の麻酔薬を歯ぐきに塗る方法。


・浸潤麻酔

歯ぐきに麻酔薬を注入する方法。むし歯治療など、一般的な歯科治療でよく用いられる。通常、インプラント手術は浸潤麻酔を行う。


・伝達麻酔

脳から走る三叉神経の末端部に麻酔薬を注入する方法。手術範囲が広い、または、手術時間が長く浸潤麻酔では足りない場合に用いられる。下顎孔伝達麻酔、大口蓋孔伝達麻酔、上顎結節伝達麻酔などがある。


・静脈内鎮静法

リラックス効果のある鎮静薬を静脈内に点滴で注入する鎮静法。手術に対する患者様の恐怖心やストレスが強い場合、ご希望の方に静脈内鎮静法を行う。


【インプラントに関するご質問やご不安がある場合はお気軽にご相談ください】


あくね歯科クリニックではインプラントの無料相談を行っています。


「重度の歯周病で歯を失ったが、インプラントができるかどうかを知りたい」

「インプラント手術に不安がある」


など、インプラントに関するご質問やご不安がある場合は当院までお気軽にご相談ください。


カウンセリングでは歯科医師が患者様の現在のお悩み・ご希望をお伺いし、1人ひとりの方に合った治療方法をご提案させていただきます。

あくね歯科クリニック
歯科医師
⇒院長の経歴はこちら