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歯ぎしり癖があってもインプラントはできる?



歯ぎしりとは、無意識のうちに歯をこすり合わせたりカチカチと歯を鳴らすことを指します。起床時・就寝時を問わず、歯ぎしり癖がある方はご自身では気づかずに常に歯ぎしりをしているケースが多いです。

 

歯ぎしり癖は歯を痛めやすくなるほか、頭痛や肩こりなど全身性の症状をひきおこす原因になることも。

 

インプラント治療においても、歯ぎしり癖はトラブルの原因です。歯ぎしりによって人工歯やインプラントパーツが破損する場合もあります。

 

今回は「歯ぎしり癖がおよぼす悪影響」、および、「歯ぎしり癖があってもインプラントはできる?」についてお話しします。

 

■歯ぎしり癖がおよぼす悪影響

 

歯ぎしり癖がある場合、歯や顎関節などのお口周りに悪影響をおよぼすことがあります。歯ぎしりによって頭痛や肩こりがひき起こされるケースも。

 

1.歯の摩耗やひび割れ

 

歯のエナメル質は人体でもっとも硬い組織です。硬さを分類するモース硬度の数値がエナメル質は6~7と高く(最大は10)、ガラスの原料になる石英と同じくらいの硬さを持ちます。

 

歯ぎしり癖があると硬いエナメル質が上下で互いにこすれ合い、歯の噛み合わせ面が摩耗したりひび割れを起こしやすくなります。

 

2.知覚過敏

 

歯ぎしりによって噛み合わせ面のエナメル質が割れることで刺激が歯の神経に伝わりやすくなり、知覚過敏を起こすケースがあります。

 

3.人工歯の破損

 

歯ぎしりによってセラミックやレジン(プラスチック樹脂)などの人工歯が破損するケースがあります。

 

インプラントの場合、強度が高いフルジルコニア製の人工歯であれば破損は起きにくいです(※)。ただし、被せ物の表面がポーセレンのオールセラミックやガラスセラミックのe.maxの場合は歯ぎしりによって人工歯が欠けたり割れることがあります。

 

(※)フルジルコニア製の人工歯が絶対に破損しない訳ではありません。

 

4.顎関節症

 

歯ぎしりによって顎の関節に過剰な負荷がかかり、顎関節症を発症することがあります。

 

5.歯並びや噛み合わせの乱れ

 

歯ぎしりによって継続的に力がかかることで歯が動き、歯並びや噛み合わせが乱れてしまうことがあります。歯ぎしりがひき起こした歯の摩耗により噛み合わせが乱れるケースもあります。

 

6.歯周病(非プラーク性歯周疾患)

 

歯ぎしりで過剰な負荷がかかることにより、歯ぐきや歯槽骨がダメージを受けて歯周病を発症することがあります(咬合性外傷による非プラーク性歯周疾患)。歯ぎしりの過剰な負荷によって歯周病の症状が進行してしまうことも。

 

7.歯根破折

 

歯ぎしりで過剰な負荷がかかることで歯根が割れてしまうことがあります(歯根破折)。歯根破折は神経を抜いてもろくなった歯に特に起きやすいため、むし歯治療や事故で歯の神経を抜いた方は注意が必要です。

 

8.頭痛・肩こり

 

歯ぎしりは頭蓋骨や顎・首・肩周りの筋肉を緊張させ、頭痛・肩こりの原因になることがあります。

 

9.顎の骨や顎周りの筋肉の異常な発達

 

歯ぎしり癖があると負荷に耐えようとして顎の骨や顎周りの筋肉が異常に発達することがあります。歯ぎしりによって顎の骨が異常発達してお口の中にコブのような膨らみ(骨隆起)ができたり、咬筋など、顎周りの筋肉が異常発達することも。顎周りの筋肉の異常発達によりエラが張って顔が大きくなる、などの症状が見られるケースもあります。

 

■歯ぎしり癖があってもインプラントはできる?

 

◎歯ぎしり癖があってもインプラント治療は可能です

 

歯ぎしり癖がある場合でも、インプラント治療は可能です。ただし、歯ぎしりの仕方(歯にかかる負荷の大きさ)によっては、インプラントを入れた後に歯や人工歯を守るための対策が必要になるケースがあります。

 

■歯ぎしり癖がある場合のインプラント治療時の対策について

 

歯ぎしり癖があり、大きな負荷がかかっている場合には歯やインプラントを守るための対策が必要です。インプラント治療と併せて以下の対策を行うことで負荷の軽減につながり、歯やお口周りの健康、および、インプラントを守りやすくなります。

 

対策①「ナイトガードを使用する」

 

ナイトガードとは、就寝中に装着するマウスピースです。ナイトガードを装着することで就寝中の歯ぎしりから歯やインプラントを守ります。

 

ナイトガードは歯科医院にて保険適用での作製が可能です。歯型を採り、それぞれの患者様に合ったオーダーメイドのマウスピースを作ります。3割負担の場合、約8~9千円程度で作製できます。

 

対策②「ストレスの軽減」

 

精神的・肉体的ストレスが原因で歯ぎしり癖がひき起こされているケースは多いです。仕事や家庭でのストレス、肉体疲労によるストレスなど、慢性的に過度のストレスを抱えていると歯ぎしり癖がひき起こされやすくなります。

 

ストレス社会である日本では中々、ストレスを軽減しにくいかもしれませんが、「小さなことは気にしない」「社会や家庭の中で自分の居場所を見つける」「睡眠時間を多めに取る」など、意識を変化したり少しでもリラックスできる環境づくりを行うことでストレスの軽減に役立ちます。

 

対策③「心療内科や精神科で受診する」

 

ノイローゼなど、精神的な疾患が原因で歯ぎしり癖がひき起こされることがあります。

 

歯科医院で診療を受けても歯ぎしり癖が改善されない場合は、心療内科や精神科の受診が必要になるケースも。

 

対策④「歯科医院に相談する」

 

歯ぎしり癖がある場合はまずは歯科医院に相談しましょう。歯科医院に相談することで歯並び、噛み合わせのチェックやナイトガードの作製など、歯科医師による診療を受けられます。歯科医師による診療を受けることで歯ぎしり癖が歯並びや噛み合わせの異常によってひき起こされているのか、それ以外の原因かを判断しやすくなるメリットもあります。

 

インプラントをご検討中の方は、インプラント手術を受ける前に歯ぎしり癖があることを歯科医師に伝えてください。事前に伝えることで歯ぎしりへの対策を含んだ治療計画を立てやすくなります。

 

【歯ぎしりのお悩みやインプラント治療に関するご質問がある方はご相談ください】

 

あくね歯科クリニックではインプラントの無料相談を行っています。

 

歯ぎしりのお悩みやインプラント治療に関するご質問がある方は当院までお気軽にご相談ください。メール相談も受付中です。

 

治療内容や治療費については個別のご回答になるため、ご予約後にご来院ください。歯科医師が患者様に寄り添ったカウンセリングを行い、治療計画をお伝えいたします。

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